キャンプイン! 大谷、藤浪、東浜「初勝利は誰か、新人王は誰か」

「頭を突っ込ませずに腕を回せば、今よりもっと良くなる」(佐野氏)「長身なのに体全体を使って投げられる器用さがバッティングにも生きている」(橋本氏)
ブルペン投球後、ホテルでも同部屋の大嶋匠捕手と笑顔で語らう大谷。「140キロは出ていた」とは大嶋の談

 2月1日は野球人の元日、とは昔からよく言われること。期待と不安を胸にキャンプインを迎えた新人たちは、各地で必死の鍛錬を続けている。

 160km/h右腕・大谷翔平(18、日本ハム)が初めてブルペン入りしたのはキャンプ3日目だった。その投球(上の連続写真参照)を野球評論家の橋本清氏(元巨人)が解説する。
「投手として理想的なフォームです。バランスが良くて、クセがない。右手を振り下ろす流れに注目してください。ファイターズのマークがきれいに見えているでしょう。胸の張りが最高ですよ。上半身にうまく力が伝わっている証拠です。

 また、投げ終わり(最後の一枚)にも注目。左膝が外側に割れていない(流れていない)。これだと正面方向にブレーキをうまく掛けられるので、力を逃がさずにフィニッシュできるんです」

 似たタイプとして、すでにプロで活躍中の唐川侑己(ロッテ)を挙げるのは、同じく評論家の佐野慈紀氏(元近鉄)だ。

「唐川もそうですが、腕のしなりが絶品ですね。こうしたフォームは打者からすると、球の出どころが見極めづらい。キャンプ序盤とあって、まだ7割の力で投げているのでリリース時に右足が(プレートに)残っていますが、良い時の彼ならば、もっと右足を蹴り出して前方への推進力に変えられる。リリースポイントを、よりバッター寄りにできるんです」

 この日のブルペンでは35球を投じた大谷。並行して野手組のメニューも消化しているとあって、疲労の色は隠せない。

〝二刀流〟に挑むチャレンジ精神は評価しつつも、橋本氏はこう語る。

「個人的には、まずは投手に専念するべきと思います。高校生のうちからメジャー球団が見に来た世界レベルのピッチャーなんですから」